ネガティブ式幸せの法則

今の世の中どういう訳だか、ネガティブシンキングが大嫌いらしい。

ネガティブと言う言葉を聞いただけで、失敗、陰気、消極的という言葉を叩き付けてこられる。

ひどい本になると、ネガティブな奴に近づくだけでマイナス思考が感染するから、絶対に近づくな等と過激なことを書いている物まである。殆ど病原菌と同じ扱いだ。

どうも「ネガティブ」＝「人生の落伍者」と完全に思われている。

それに反して「ポジティブ」＝「成功、陽気、積極的」と信じ込まれており世間からは大歓迎を受けている。

その結果、世の中猫も杓子もポジティブブームで何でもプラス思考だけが真実でそれが出来ない奴は、人であらずと多くの人が考えている。

実際Twitterなどのつぶやきでも「ネガティブな奴最低、キモい、近づくな、考えられない」という罵声を平気で浴びせている。

これなどは明らかにヘイトだけども、世の中自体がポジティブ大好き社会なので、そういう発言があっても差別だとか、いじめだなんて誰も思わない。

本来、ネガティブやマイナス思考というものはその人の単なる性格だ。

別に世の中に逆らって捻くれて考えているわけでもなく、小心者で心配性なだけだ。

なのに、まるで中世ヨーロッパの魔女狩りのように、ネガティブな性格をたたかれ、ポジティブに変われと強要される。

正直言って性格なのだから、そう簡単に変われるわけがないのに、変わらないと公開処刑のような差別が始まる。それも世間、公認でどうどうと始まる。

最近では就職の面接の時などでも、「自分はどんな場合でも物事を良い方向にとらえられる性格です」と自己アピールしないと採用されないという企業も多いと聞く。

一昔前までは、「自分は何事も慎重に考えて、行動するタイプです」と言うのがよしとされていたのに、日本も変わったものだ。

ポジティブが歓迎され始めるようになったのは、アメリカの自己啓発本が日本に多く入ってきた事と、有名スポーツ選手などが、ポジティブなイメージを描いたら勝てたという話がよくマスコミなどで取り上げられるようになってからだと思うけど、個人的にはポジティブってそんなに良い面ばかりなのかなと思っている。

ポジティブにしても、ネガティブにしても、メリットがあればデメリットがあるのが普通なのに、何故かポジティブにはデメリットがないと思われているようだ。

そのポジティブが爆発的に人気が出たのは、１０年ほど前だったと思うが、「ザ・シークレット」という『引き寄せの法則』を紹介した本がベストセラーになってからだと思う。ポジティブなイメージを思い浮かべるだけで、何ひとつ努力もしないでも人生バラ色、あらゆる事が思い通りに実現すると言う考え方があっという間に拡散してからだ。

確かにその法則が真実であればとても楽です。何も努力も行動も苦労もしないで、頭の中で描くだけで叶うならこれほど画期的な事はありません。

そして、その法則が正しいのか、偶然なのか分かりませんが、「願ったことが引き寄せることが出来た」という方が続出したこと。その反面ネガティブな事を思い浮かべると不幸や失敗に繋がると言われ始めた。

その結果、ポジティブ信者が続々と増えて、逆にネガティブな考え方を持っていると、それがうつるだとか、感化されてしまい、不幸に陥ると嫌われる羽目になってしまいました。

誠に申し訳ございません。長々とくだらない話を書いてしまいました。

申し遅れましたが、私このブログを書いているDenと言う者です。

結構いい年をしたおじさんで、人生の大半をかなり大嵐の中を生きてきたものですが、今は何故か結構のんびりと自由気まま好き勝手に生きています。

ちなみに私、超が付くほどのネガティブシンキングの持ち主で心配性の上、うつ病ときています。

こう書くと絶対にこいつ陰気で消極的で人生も絶対に失敗しているなと思われますが、私の事をよく知る友人から言わせれば、陽気で行動的で余裕のある生活をしていると思われています。

また自分で言うことではないのですが、常に自分から人を引っ張っていくリーダーシップタイプの性格で、人からの信頼もかなり厚いと自負しております。

でもポジティブな人間にはなれないです。何度も挑戦しましたが、見事に挫折しました。一時期必死に考え方を無理にプラス思考にしようとした事があったのですが、心の中に矛盾が生じてしまい。結果余計にネガティブな性格になってしまいました。

でも、そんな私でもネガティブなままで結構陽気に楽しく、行動的に生きています。

結局ポジティブとかネガティブとかの両極端になる必要があるのではなく、ちょっとした心構えで充分幸せに生きられることが分かりました。