そもそも、会話の「最初の一歩」が怖いんです!
皆さん、こんにちは! (^^ゞ
これまでの記事で、「話さなくても信頼されること」や「深い会話を作る質問術」を学んできました。でも、読者さんからこんな声が届くかもしれません。
「話す量は減らせるとして…そもそも、会話の『最初の一歩』が怖いです!」
そう、私たち内気な人間にとって、初対面の人や久しぶりに会う人との「導入の会話」が一番の難関だったりしますよね。
- 「何を話せばいいんだろう…」
- 「変なこと言ったらどうしよう…」
そんな不安を吹き飛ばすために、今回は、相手にプレッシャーを与えず、あなた自身も安心して使える、心理学に基づいた「最初のとっかかり」質問術を紹介します。
「天気の話」よりずっと使える!導入質問のゴールデンルール
会話の導入で最も避けたいのは、相手に「答えをひねり出さなきゃ」と思わせてしまう質問です。
内気な人が安心して使える質問のゴールデンルールは、たった一つ。
【ルール】相手の「思考」ではなく「五感で感じたこと」に焦点を当てる
「仕事のやりがいは?」「最近のニュースで気になることは?」など、相手の考えや意見を聞く質問は、まだ心の準備ができていない最初の段階では負担になります。
代わりに、「今、この瞬間に感じていること」や「誰にでも共通する体験」について聞くことで、自然でスムーズな会話を始められます。
相手に負担ゼロ!すぐに使える「とっかかり」質問3パターン
あなたの内気な性格を活かし、「深く聞く力」を発揮できるようになるための導入質問を3つ紹介します。
質問パターン①:その場の「環境(五感)」に触れる質問
これは、最も安心で、誰にでも平等に使える質問です。
「この場所で、今、あなたが見たり、聞いたり、感じたりしていること」を話題にします。
- 例1(視覚・雰囲気): 「このお店、照明がすごく落ち着いていて素敵ですね。こういう雰囲気、お好きですか?」
- 例2(聴覚・音): 「このBGM、どこか懐かしい感じがしますね。なんて曲だろう?」
- 例3(体感・天気): 「急に涼しくなりましたね。今日の服装、迷いませんでしたか?」
【内気な人に優しい理由】
あなた自身の「感想」や「気づき」を添えているため、質問の形をとりながら、実は「簡単な自己開示」にもなっています。相手はあなたの感想に「共感」か「ちょっと違う」という軽い返事をするだけで済み、負担がありません。
質問パターン②:「体験・行動」に焦点を当てる質問
相手の「趣味」や「意見」ではなく、「今日、ここに来るまでの行動」や「最近した簡単な体験」に焦点を当てます。
- 例1(アクセス): 「ここ、駅からの道がちょっと複雑でしたよね。迷いませんでしたか?」
- 例2(食べ物): 「このエリアに来るの久しぶりで。何か美味しいものは見つけられましたか?」
- 例3(共通体験): (セミナーやイベントなどで)「今日の〇〇さんの話、特にどの部分が印象的でしたか?」
【内気な人に優しい理由】
相手の個人的な成功体験やポジティブな行動を引き出す質問なので、相手は気持ちよく話せます。また、「今日の道」や「今日食べたもの」など、今現在に紐づく話題なので、過去の深い話を掘り起こす必要がなく、スムーズです。
質問パターン③:相手の「アイテム」に触れる質問
相手が身につけているものや持っているものに、ポジティブな感想を添えて質問します。
- 例1(時計やアクセサリー): 「その時計、デザインが素敵ですね。何か特別な想い入れがあるんですか?」
- 例2(カバンや小物): 「そのペン、すごく使いやすそうですね。どこで買われたんですか?」
- 例3(服装): 「その色の服、すごくお似合いですね。普段から明るい色を選ばれるんですか?」
【内気な人に優しい理由】
「褒める」という形で会話に入ると、相手は気分が良くなり、会話の主導権を自然と相手に渡すことができます。内気なあなたが深く掘り下げなくても、相手がアイテムにまつわるストーリーを話してくれる可能性が高まります。
【秘訣】質問は「深く」ではなく「軽く」繰り返す
最初のとっかかりの段階では、前回紹介したような深い質問(「やりがいは?」など)はまだ使いません。
ポイントは、軽い質問を繰り返し、会話の『慣らし運転』をすることです。
相手が「はい」や「簡単な一言」で答えたら、「そうなんですね!」と相槌を打った後、「私も〇〇なんですよ」と、自分の「軽い感想」をサッと挟む。そして、また次の軽い質問に移ります。
- 例: 「このお店の照明、落ち着いていて素敵ですね。」→ (相手:) 「そうですね、私も好きです。」→ (あなた:) 「そうなんですね!私も明るすぎる場所より落ち着くんです。そういえば、ここに来るの、迷いませんでしたか?」
この「キャッチボール」で、あなたと相手の間に「安心して会話ができる空気」が生まれるのです。
まとめ:あなたは「質問のプロ」
内気なあなたの強みは、「観察力」と「相手への配慮」です。
今回紹介した「最初のとっかかり」質問術は、この強みを最大限に活かしたものです。
相手に負担をかけずに、
- 環境の観察(五感)
- 行動の観察(体験)
- アイテムの観察(褒める)
この3つの視点から、「軽い一言」を投げかけてみてください。
さあ、話すのが苦手だったあなたも、これで安心して「会話の導入の達人」になれますよ。無理に「面白い話」をしなくても、相手はあなたとの会話を心地よく感じ、自然と心を開いてくれるはずですよ!
P.S. (追伸)
内気な特性を持つ人の中には、「大勢の前でのスピーチや発表」が苦手な方も多いでしょう。明日は、そんなプレッシャーの強い場面で、「緊張を力に変える」心理学的な方法について解説していきます。お楽しみに!

