ポジティブな人がとっても大好きな法則として「引き寄せの法則」というものがあります。
自分が望むことを実現しているかのように常にイメージとして持つことで、宇宙の力なのか、人間の秘めた潜在意識の力なのか分りませんが、未知の力が願望が引き寄せてくれて実現するというものです。
もう10年以上前になるのでしょうか、「ザ・シークレット」という本で一躍有名になった法則なんですが、この考え方自体はもう100年以上前から言われていたもので、自己啓発の世界ではあのナポレオン・ヒルやマーフィーなども同じようなことを唱えています。
この引き寄せの法則の肝になる考え方に、自分が思い描いていることは良いことにしろ、悪いことにしろ実現してしまうという物なので、いつもポジティブにプラス思考な人は成功するし、いつもネガティブなマイナス思考な人は頭の中が失敗するぞ、悪いことが起こるぞと考えてしまうので、ろくな人生が送れないという事で、この法則を信じる人は当然ポジティブ信者となってしまう傾向があるようです。
そりゃそうですよね。嫌なことが実現してしまったら嬉しくないですからね。
で、ちなみにネガティブマンであり、物事に対して疑い深い私なんですが、当然信じていないと思われるでしょね。
ところが意外と信じているというか、何度か切羽詰まった時に思いっきり自己願望を引き寄せてしまっているのです。
だから、否定が出来ないんです。
前にも書きましたが、私はバツイチなのです。それも中途半端な奴ではなくって、前の奥さんに全財産持って失踪されてしまったのですよね。そのうえ会社が傾いてしまってついでにリストラされちゃって無職になるというダブルパンチを食らいました。
で、職探しをしたのですが、ちょうどバブルがはじけて日本経済が超氷河期の時でしたから、そこそこいい年をしたおっさんを雇ってくれるところなんて全くありませんでした。
仕方がないので自分が作ったプログラムを持って全く知らないソフトハウスに飛び込みで雇ってくださいと売り込みましたが、これも見事なくらいダメでした。
そういう生活を3ヶ月くらいやってもうこれ以上探すのは絶対無理という限界まで来た時、たまたまあった知人から、知り合いの会社がコンピュータの担当者をほしがっているという話を教えてもらって、何とか採用試験を受けさせて貰えることになって受験したら、なんと一発採用、何とか人間として生きる道が繋がりました。
その頃は見事にお金が全くなかったので本当人間真剣に願うと思いは通じるんだと悟りました。
でこれが最初の引き寄せでした。
それから今度は前の奥さんとの離婚調停がもつれにもつれて結局何とか別れることが出来たのが5年後。
もうこの期間は最悪の時間でした。それが終わった瞬間。本当に解放されたやったぞという気持ちになって、その当時たまたま見かけたネットの掲示板に「不幸な結婚がやっと終わった。今度こそ最高の幸せな人生を送るぞ」等の文章を長々と書いたら、全く見知らぬ方からその文章を読んでとても感動したという励ましのメールをいただいたんですね。それが今の奥さん。
これが2回目の引き寄せ。
それから結婚話はとんとんと進んだのですけど、肝心の住むところがなかなか見つからず、どうしようかなと思って公団や賃貸を探してみたのですが、なかなか良い物件が見つからず。
かといっても家を買うのにも資金がまったくない。仕方がなく私が当時住んでいたボロマンションを継続しようと諦めかけていた時、たまたま前から住みたいと思っていたところに格安の新築一戸建ての家が売り出されているという事を聞き、さっそく見に行ったら理想通り。
結局資金の不足分は奥さんの実家の援助もあってその家を無事に購入することが出来てしまいました。
これが3回目の引き寄せ。
最後は会社を定年退職する5年前から、務めていた会社が傾き始めてリストラ候補になり、とにかく定年まで何とか持ちこたえて欲しいと願い、なおかつ定年後は船で世界一周のが夢だったので、それを実現するための資金250万を老後の生活費以外に貯めることが出来るように願いました。
このころはうつが再発して精神的にかなり参っている時期だったのですが、仕事も必死に頑張って、お金も副業などで集めることが出来、結局無事定年まで会社に残ることが出来ました。
そしてなおかつ世界一周の費用も無事に貯めることが出来て、定年退職した5日後に船で旅立ちました。
これが4回目の引き寄せ。
こう書くと、そんなの単なる偶然だろうと言われそうなのですが、確かに偶然だったのかもしれないし、たまたま上手くいったのかもしれないのですが、その時の気分を今考えてみると確かにとっても真剣に願っていました。
その事を実現したいという気持ちは滅茶苦茶強かったです。
ここに書いた事以外にも小さな事で、偶然にしては出来過ぎだと思うようなことで願望が叶ったとこはいくつもあります。
ただ運が良かったのか、法則的にそうなのかが分りませんが、それらは結果が良かったことばかりで、悪い結果になったことは見事にひとつもなかったです。
だから個人的には引き寄せの法則というものがないとは言いにくいのです。
しかしいつも引き寄せられるわけではなく、本当に切羽詰まった時以外はあまり願望が実現した記憶がありません。
だから宝くじで大儲けしたとか、競馬で万馬券が当たったなどは一切ないし、会社の忘年会のビンゴでさえまともなものが当たった記憶がありません。
また私の場合はギリギリの極限状態になるまで、機能してくれないのでその願望が叶っても嬉しいと言うより、助かったという気持ちの方が強くって、何度もかなって欲しいとは思えないというのも本音です。
昔から火事場の馬鹿力と言いますが、人間追い詰められた時は不思議な力が働くのかもしれないですね。
ちなみに引き寄せの法則を試してみたいと思っている人にこれだけは守らなければいけないことが3つあります。
ひとつはさっき言ったマイナスなことをイメージしないこと。出来るだけ良い結果をイメージしましょう。
ただ私のようにマイナスなことを具体的にイメージを始めたら止まらなくなるタイプの人は、そうなったらその場から一呼吸置きましょう。
気分転換をするのも良いし、体を動かすのも良いしとにかく一旦忘れることです。無理にプラスイメージを結びつけようとか変換しようとすると深みにはまりますので、ご注意を。
次にプラス的な考えであっても否定文にはしないことです。
たとえば「私は太らない」と思っても、どうしてもイメージが太るという言葉の方向に行ってしまうので結局マイナスと同じ効果です。
また「私は痩せている」というのも、痩せているのが「不健康」とイメージされることがあるので、出来れば「私は毎日運動をした結果、健康的に体重が落ちている」などのマイナスのイメージがわかない言葉を選ぶことが大事です。
最後にこれが一番大事なのですが、いくら常にイメージを持ったとしても、何も行動をしなければやっぱり引き寄せされることはありません。
「有名なピアニストになる」とイメージしたのなら、当然人一倍ピアノの練習をする必要があります。
ダイエットをしたければ、運動と栄養を考えた食事をすることが大事です。
引き寄せの法則も神がかった奇跡は起こしてくれません。それだけは肝に銘じて実行してくださいね。

