人間関係は色々と難しいです。
自分では気がついていないうちに、人を傷つけていることも多くあります。
また、ごく普通の会話をしていたつもりなのに相手が突然怒り始めて喧嘩になることもあります。
自分自身、何も落ち度がないと思って人に接していたつもりなのに、何故か急に相手から避けられるようになったり、凄く険悪な関係になったりすることもあります。
その大きな原因は一体何でしょう?
当たり前のように思われるかも知れませんが、それはコミュニケーション不足がほとんどの場合の原因となります。
コミュニケーションというと、多くの人は会話を思い浮かべるかも知れませんが、実際はそれだけではありません。
コミュニケーションを大きく分けると言葉を使って意思疎通をするバーバルコミュニケーションと、言葉以外が意思疎通に影響を与えるノンバーバルコミュニケーションの2つがあります。
多くの人は、当然のようにバーバルコミュニケーションで、ほぼコミュニケーションが成り立っていると思っていますが、実際はノンバーバルコミュニケーションの方がコミュニケーションの中心となっています。
それも、9割以上がノンバーバルコミュニケーションがコミュニケーションの重要な部分を担っているのです。
そのため、一生懸命言葉で会話をすれば何でもわかり合えるとか、問題が解決できると思ってコミュニケーションをしても、逆効果になる事はよくあることです。
例えば、夫婦の会話の中で「明日食事に行かない?」と妻に聞かれ、夫が「いいよ」と答えたとしたら、ごく普通の会話でしかないと思われますが、これだけで時と場合によっては喧嘩になる事があります。
もし、夫がスマホを操作しながら興味のなさそうな声で「いいよ」と言ったとしたら、妻としたらあまり良い気持ちにならないず、そこから言葉のすれ違いが発生して喧嘩になるというような事を、経験した方も多いのではないでしょうか?
だから、言葉以外のコミュニケーションが意外と重要となるのです。
実際にコミュニケーション上でトラブルになる場合も会話の内容が原因になるより、それ以外の要素(話しているときのと態度や様子、顔の表情や、言葉の抑揚など)が問題になることが多いのです。
そのため、本人にとっては些細なことで相手を傷つけていたり、相手と喧嘩になったりすることになるのです。
また夫婦間での喧嘩の場合、男女間の脳における思考構造の違いから些細なことで喧嘩になる事があります。
一番多く起こるパターンは、妻が子育てや会社での不満感を話し始めると、夫がそれを問題として捉えて解決法を話し始めることです。
この場合、かなりの確率で喧嘩になります。
妻は自分の置かれた立場や不満を言葉として出して愚痴ることで、気持ちの整理をしようとしているときに、夫としては、困って妻が苦しんでいるのだから、何とか協力しようとして解決法を提案しようとするのですが、女性脳から考えると、決して解決法を望んでいるわけでもなく、ただひたすら自分の気持ちを聞いて欲しいという気持ちで話しているだけなのです。それに対して、男性脳の考え方では、妻の今の状態を助けるためには何か解決法を提案することが一番の方法だと考えてしまい、時には妻の話をさえぎってしまってまで、色々と提案するのです。
これを考えるとどちらにも、悪気もないのです。妻は夫を信頼して愚痴っているだけですし、夫は妻のことを考えて相談に乗っている気持ちなのです。でも脳自体の思考方法が違うためにお互いの気持ちがすれ違ってしまい、妻は「私の気持ちを分かっていない」と怒り、夫は「真剣に相談に乗っているのに何故怒られるんだ」と怒り、結局喧嘩になります。
心の構造は難しいです。また相手の気持ちを完全に理解することは、とても出来ません。
だから、言葉でいくらうまく会話しようとしても、心がすれ違ったり、相手に嫌悪感を感じてしまう事があります。見た目は些細なことのように見えるかもしれませんが、実は意外と大きな心のすれ違いになっている場合も多いのです。
また男女での脳の思考が違うのは、天性的なものですから、その事を理解しておかないと自分の考え方と違う、感情とは違うと言うだけで諦めてしまうのではなく、しっかりと相手の気持ちを知ろうとする気持ちを持つ事が、コミュニケーション不足を防ぐ方法であり、トラブル回避になると思います。
最後に一言だけ付け加えておきたいことは、決してコミュニケーションをとるときは、言葉だけを聞くだけではなく、しっかり相手の表情や、体の動きなども含めた非言語コミュニケーションである、ノンバーバルコミュニケーションをしっかりとることが大事です。
人の多くの悩みは人間関係のことであり、その人間関係をこじらせる原因の多くはコミュニケーション不足による意思の齟齬から発生すると言われています。それを防ぐためにも、しっかり本当の意味のコミニケーション不足を無くすための努力は人間関係を円滑に進めるためにも是非とも必要な事と考えて欲しいと思います。

