人生長いこと生きていると色々な決断や岐路に立たされることがあると思います。そういう場合、世間ではほとんどの人がネガティブシンキングや消極的な行動を起こすような人はきっと失敗すると思うでしょうね。
実際多くの自己啓発書にはネガティブシンキングの持ち主は常時頭の中で失敗するという気持ちに満ちあふれてしまっていて、そのため潜在意識が本人の意識に関係なく失敗する方向に導いてしまい、結果常に失敗に繋がると書かれています。
それは車の教習所等でよく教えられたことですが、反対車線の車とぶつかりそうな気がして、そちらの方ばかり気にしていると、知らないうちに車が中央よりになって本当にぶつかっていまうと言う感覚と同じなのかもしれないです。自分自身が不幸を呼んでいるという結果なのでしょうか。
それに比べてポジティブシンキングの持ち主は何事に対しても自信を持っていて、常に絶対に成功するという考え方で行動していますから、潜在意識にその事が伝わり自然と成功の方向に進むそうです。
ちょっと聞いたら、なんだか正しいような気持ちになりますが、なんだか矛盾を感じませんか?
たとえば、ある優良企業がたった一人だけ中途採用しているとしますね。
そこに仮に5人の受験者が来たとします。その受験者が超が付くほどポジティブシンキングの持ち主だったら、誰が合格するんでしょうね。まさか全員がとても優秀な人材だからと言う事で全員が合格するのでしょうか?
それはまずないでしょうね。そんな都合が良いことが起こることは現実社会ではまずあり得ない話ですから。
それでもポジティブ信者の方なら、その中で一番ポジティブな人が合格するのだろうから、もし落ちたとしたらより一層努力してポジティブにならなければいけないと思ってしまうのでしょうかね。
確かに少し前まで面接の時はポジティブな発言をすると合格しやすいと言われていましたけれど、採用試験は面接だけで決まるわけではないので、比重から行けば学力や仕事に関しての能力があるかなどが優先されるでしょうね。特に言葉ばかりでペーパーテストや技量テストが全然ダメな人は確実に中身がないお調子者程度の評価しかもらえないでしょうから、現実世界では面接までも行かないというのが事実でしょうか。
たしかに世の中には本当に自信がない人もいるので「私はこの仕事に全然自信がないので、もし雇ってもらっても失敗ばかりすると思います」なんて超ネガティブな発言を面接の時に行えば確実に落ちるでしょうけれども、普通のネガティブシンキングぐらいなら、自己表現が下手なくらいで、採用試験に多少不利かなと言う事はあっても学力、能力が優れていたら関係ないでしょうね。
もし同じ学力で同じ能力で甲乙つけがたいばあいはポジティブな人の方が採用されやすいと思われるでしょうが、最近はどうなんでしょう。
一時期ほど面接の時のポジティブ信仰はなくなってきて、逆に「頑張ります。自信があります。」と言っているので、具体的なことを聞いたら何も答えられないので不採用になってしまったポジティブシンキングな方も結構いるそうです。そういう方を最近では「あるある詐欺」と言って警戒している企業もあるそうです。
実際採用されても自信だけ、意欲だけがあっても仕事が出来ないとなると一遍に評価が、がた落ちになり使い物にならないと評価され、下手をするとクビになるだけです。
逆に自信がなさそうなネガティブな人と思っていたら、仕事に派手さはないけど確実に成果を上げていって会社から絶大の信頼を得る人もいます。
結局根拠のない自信や意欲を持っていても、実践で役に立たなければ意味がないわけで、自分の売り込みが下手であっても自信がなくても実績を残せば成功者になれるわけです。
最近ポジティブ信者の方はどうしてもプラス思考にならなきゃ行けないという気持ちがあって、何でも「自信があるとか、自分はその仕事が得意です」とか根拠もなく言ってしまう傾向があるようですが、これってある意味とっても怖いことだと思います。そいうウソは実務を実際に任せてみると簡単に分ってしまいますから。
出来るかどうか分らない時は「少し自信がないけど自分なりに努力してみます」程度で抑えておくのが一番良いと思うのですが、そういう方はプライドが許さないのでしょうかね。
まあたしかに一般的にネガティブな考え方や行動及び発言は世間一般的にあまり好かれない傾向であることは事実でしょう。でもネガティブな人って私はある意味ただ正直な人だと思っています。
だって不安があって、自信がないという気持ちは捻くれて出てきた言葉ではなく、本心でそう思っていたからつい口から出てしまうと思うんです。
それは内向的や神経質、完璧主義などの性格からくるものかもしれませんが、わざわざ嫌われたいからネガティブな発言をしているわけではないんですよね。
そういうマイナス的な事を考えたり、言ったりする人って人間的にダメだとは言い切れないと私は信じています。人付き合いが苦手でも、行動力が遅くても実際、人一番努力して人生を成功してきた人は本当沢山います。
それなのに世の中の流れがポジティブに向いているからと言って無理矢理プラス思考をしよう、何事も良いことだと思って考えようなどと考えて、逆にプレッシャーや精神的追い込まれてしまい辛い人生を送っている人もいるのも事実なのです。
ネガティブはその人の個性で決して悪いことではないのですから、無理して自分の感情を換える必要はないのです。
ポジティブシンキングにも欠点があるように、ネガティブシンキングにも欠点は当然あります。
そしてどちらにも長所もあるし、それを上手く利用すればネガティブな人だって人生を大成功に導くことも決して難しいことではないのです。
そのあたりを次回に詳しく書かせていただきます。

