世間一般的にポジティブな人間に対してのイメージはプラス思考の持ち主で陽気な性格、そして行動的だとなると思います。
でも現実は必ずしもそうはならない場合が結構あるのです。
特にポジティブ＝行動的というのは繋がらない場合があります。
こう書くとプラス思考の持ち主なのだから、思いついた事はすぐに行動を起こすからポジティブなんじゃないのと思う人が多くおられると思いますが、現実はこのプラス思考が逆に行動する気力を奪っている場合が意外とあったりするのです。
例えば「会社で大きなプロジェクトを任された」とか「有名大学を受験する」とか自分にとって大事な時にでも、「自信があるから絶対大丈夫」なんて思ってしまって、結局ほとんど準備もしないで本番を迎えてしまうと言う事になる場合が結構あったりするのです。
特にプラス思考を具体的にイメージとして描けるタイプの人などは、頭の中の成功イメージですっかり満足してしまって、そのため実際の行動に結びつかないという事もよくあると心理学の実験でも証明されているそうです。
確かに人間が一番活発に行動する時って「火事場の馬鹿力」ではないけれども追い詰められた時や、うまくいくか行かないかの瀬戸際の時の方がよく行動するのは多くの方が経験していることでしょう。
その結果意外とネガティブな人の方が精神的に追い詰められる事が多いので、行動的なる事が多かったりします。
実際ネガティブマンの私は自分でもかなり行動的だと思っています。別に行動するのが特別好きというわけでもなく、失敗するのが怖いので考えられる事は取りあえずやっておかないと大変な事になるという思いからの結果だけなのですが。
だから私にとって行動力＝とっても必死な状態なのです。
ただ自己中心的な考え方かもしれないけれど、出来ないと思っていたものが頑張って行った結果。予想以上に上手く出来た時は、結構自分の心の中で「私も結構できるじゃないか」と褒めている。そしてその瞬間が快感でたまらなく心地よいのも事実です。
そう思えるのなら、充分ポジティブマンにもなれる素質があると思うけれども、いつも成功したり、思い通りの事が出来るわけではなく、結局失敗が怖いためにネガティブマンの方が気が楽なのでそのままでいるのが本音です。
話がかなり脱線してしまいました。
ポジティブと行動力が結びつかないという話でした。
実際の話ですが、私の高校時代の友人の一人だけど信じられないほど頭が良くってスポーツマンでポジティブシンキングの塊みたいな奴がおりました。
全国模試でも常にトップクラスで志望校は京大だったのですが、当然のように「Ｓ判定」でした。
当然余裕で受かると思っていたのですが、何故か２年連続不合格で結局２流の私立大学に授業料全額免除の特待生として入学しました。
もともと普段から勉強しなくても、めちゃくちゃ勉強が出来るレベルの人間だったので、受験勉強をするという考えはなかったようです。
だから最初に落ちた時は「ちょっと風邪気味だったので調子が悪かったから仕方がない」と全然気にしていなかったのですが、さすがに２回目落ちた時はかなり動揺しておりました。なんでも絶対通るつもりだったので他の大学との併願もしていなかったのです。結局２次募集をしていた２流大学を受けて余裕で合格して、特待生にもなることが出来たのですが、ただ彼としては、その自分の立場が凄く不満だったらしく私たち友人とも連絡を取らなくなり、噂では大学もやめたそうでその後の彼の人生は分りません。
その後彼は一念発起して京大か東大に再チャレンジしたかもしれないですが、自分に自信を持ちすぎる事で結局行動しないままになって失敗する事もあるんだというひとつの例として挙げさせていただきました。
最近は彼のようにある程度実力があり、その結果行動を起こさないと言うばかりではなく、何の根拠もないのに自信だけは異常にあり行動を起こさない人が増えている事をある心理学の本に書いてありました。
何でも、行動や努力をすることより、ポジティブシンキングになることさえ出来れば、何も苦労もしないで成功者になれると本気で思い込んでいる若い人が増えてきているそうで、大学や会社の面接で根拠もなく、やったこともないことでも、「出来ます」「自信があります」というそうです。
特に企業ではその言葉を信用して採用したら、全く使い物にはならないし、仕事に積極的に行動起こさないわで、不要品扱いになっている社員が増えてきているため、最近ではやたらに「出来ます」「自信があります」という人は逆に警戒する傾向になっているとか。
それに繋がるのかもしれないですが、最近はちょっと別のパターンで行動を起こさないポジティブシンキングな方もいます。
それは「引き寄せの法則」の信者の方です。別に信じる事は悪いとは思いませんが、この類いを紹介している書籍やネットのサイトの中では、プラス思考で自分の願望をイメージするだけで、何も努力もアクションも起こさなくても自然に願いが引き寄せられると書いてある物が多いため、それを素直に実行している人が結構います。
そういう方と話をすると、「将来は南の島でセミリタイヤして暮らします」なんて夢を語ってくれるのですが、それを行うための具体的な方法や、行っている事に関して聞くと、「心の底から願うと自分の夢は必ず叶うと信じてますから」なんて平気で言われてしまいます。
まあ世の中には、本当偶然的に何も行動も努力をしなかったのに、自分の夢をあっさりと叶えたという人がいないわけでもないですから、その考え方は絶対に間違っているよとは言えませんが、少なくとも億万長者になりたいのなら最低でも宝くじを買うぐらいの行動力は起こさないと、夢の実現はほぼ不可能だと私自身は思うのですが、余計なお世話かもしれないですね。
こういう事は個人の判断に任せる事にして、この話はこれぐらいで終わりにしましょう。
次回はネガティブのメリット、デメリットに書いてみたいと思います。
